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ミステリー

著者の自邸を舞台にしたミステリー。下村敦史『そして誰かがいなくなる』

著者の自邸を舞台にしたミステリー。 下村敦史『そして誰かがいなくなる』

何か事件が起こりそうな人里離れた洋館が舞台のミステリー。なんと、この洋館、作者の自宅を舞台にしているそう。「王様のブランチ」か何かで取り上げられていて、面白そうと思って購入した一冊だ。

覆面推理作家の新居に集められた小説家と編集者たち。人里離れた所に建つ洋館には、剣のレプリカや古い電話機、シャンデリアなど、ミステリーの舞台に置いてありそうな物で溢れていた。執事や探偵を名乗る者が登場し、外では雪が降り始める。そして、主催者である館の持ち主は、こつぜんと姿を消すのだった……。

お約束通りの展開にニマニマしながらも、この館は実在するのかとわくわくした。自宅の中に隠し部屋があるなんて、建てた人たちも楽しかっただろう。

それにしても、ミステリー小説にはよく睡眠薬を服用している女性がテンプレートのように登場する。本書がアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』をオマージュにしているからかもしれないが、そんなに睡眠薬飲んでいる女性って普通にいるのだろうか。

以前だったらそういぶかしんでいたが、今では自分が服用しているので疑問に思わなくなった。歳を重ねるにつれ、自力で眠る体力みたいなものがなくなってしまうのだ。あと、生まれてからこれまでに積み重なってきたストレスが蓄積されていく。うまくストレス解消できている人や、眠りやすくなるコツみたいなものを持っている人だったら問題ないのかもしれないが、そうでない人は医療に頼るしかない。

話が脱線してしまったが、本書にはミステリーあるあるが随所に散りばめられている。ミステリー好きにはたまらない一冊だった。

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