誰もが知っている名作を今さら読んでみた。『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティ
ミステリー小説といえば、アガサ・クリスティでしょ。でも、今まで手付かずでいました。だって、古典だし、横文字の名前覚えづらそうだし。
不眠症で眠れない夜が続いて、買ってきた本を全て読み終わってしまったとある夜中。こういう日は、夜中にやっている図書館があればいいなと、渇望してしまう。できれば、コーヒーが飲める静かなカフェ風の図書館がいい。夜寝ないで本を読んでいる人がこんなにいるんだ、って孤独を感じずに済むような空間がほしい。
そんな、とある夜更け。あまりにも何かが読みたすぎて、電子書籍で購入して読んでみたら面白くって(小説は電子書籍より、紙の本派です。臨時で欲しい時に電子書籍で購入します)。初めの数十ページで登場人物たちが次々と登場するのだけれど、覚えるのが大変で曖昧な記憶のままどんどん読み進めていくうちに、なんとなく覚えていった。ああ、この人は確か、冒頭のシーンでこんな風な描写をされていた人だ、みたいな。
アガサ・クリスティの小説を読むのは実は初めてで、『オリエント急行殺人事件』は『名探偵コナン』でオマージュ的作品をやっていて、その何年も後にジョニー・デップが出演している映画を観たことがあるため、内容は知っていた。その映画を観たのも、ジョニー・デップが好きだからという理由である。小学生の頃、コナンで何度も出てきた作家だったため(阿笠博士とかね笑)、興味を持ってはいたが、昔の人が読んでいた本というイメージが強すぎて読めずにいた。
読んでみたら面白かった。色んなミステリーファンが口をそろえて、「あらゆるミステリーのトリックを一人でやってしまった人」と言うだけある。まだ一冊しか読んでいないくせにそう感じられるほど、この作品からその片鱗を感じられた。とても読み応えがあった。
舞台は絶海の孤島。新しくオープンするというホテルに招かれた十人が、「十人の小さな兵隊さん」という詩になぞらえて死んでいく。初めの数人のうちは偶然だと思っていた登場人物たちが、徐々に仕組まれた殺人ではと疑い始める。誰が犯人か。何が目的で殺人を犯しているのか。一刻も早く逃げたいのに、島には迎えの船が来ない。正体不明の殺人犯と孤島に閉じ込められている状況に、宿泊者たちは焦りを感じる。
私は小学生の頃からずっと、コナンを読み続けているのに、推理小説で犯人を当てたことがない。みんな怪しく思えてしまって、作者の引っ掛けに見事騙されるのだ。もしかしたら、作者が引っ掛けるつもりのない部分でも、引っ掛かっているかもしれない。トリックも解明できない。コナンくんが解説してくれて初めて「ほぉ〜ん。そんな手があったのか」と感心するだけなのだ。
この作品でも最後に犯人とその動機、トリックが全てあばかれ、「へぇ〜、そうだったんだ。ふむふむ。全然わかんなかったな」と、偏差値3ぐらいの頭で感心した。私はこんなだから、ミステリーを読んでいて犯人を当てられる人はすごいと思う。
私が普段読んでいる他の作家が書いたトリックの元ネタとか、きっとアガサさんのをオマージュしているものがたくさんあるはず。元ネタを知りたいのもあって、今後も挑戦してみようと思う。
ついでに『名探偵コナン』のリンクも貼っておきます。全100巻以上、読める方ぜひ〜(笑)