最強メンタルの女が北京を楽しむ!『パッキパキ北京』綿矢りさ
※本書では人が死にません。
人は死なないけど、面白かったから紹介します。あと、私、綿矢りさが大好きで、今後も何冊か紹介すると思います。
コロナ禍の北京に単身赴任中の夫から、メンタルがやられ気味だから一緒に暮らしてほしいとお願いされた菖蒲(アヤメ)。女友達からは「えー、北京なんてかわいそう(そんな状況になっていない私のほうが優位)」とマウントを取られても、「あんたたちみたいに、邪魔な子供は産んでないからいないし、フッ軽な私は北京を楽しんできてやるよ」と、菖蒲は意気揚々と旅立つ。
愛犬のペイペイが吠えまくっても、全然気にしない。バブル時代のギャルみたいな強気な精神で、ショッピングや現地の人との交流を楽しむ。あと、人の彼氏を取る。旦那いるのに。
私の中で綿矢りさの作品って二種類あって、ひとつは「女の嫌な感じを面白おかしく書いている作品」で、もうひとつは「あんまり性格悪くない感じの作品」。私は圧倒的に前者のほうが大好きで、本作もいい塩梅に女の嫌な感じを出していて良かった。好きでもない友達とマウント取り合うっていう目的だけで女子会開いているのも良かった。主人公の「私さえ良ければいい!」っていうメンタルに元気をもらえた。
あと、中華料理が美味しそう! 辛いのは苦手だけど、読んでいてお腹が空いてきた。 ゲラゲラ笑いながら読める作品。