色んなジャンルのホラーが楽しめる。『14歳の世渡り術 ジャンル特化型ホラーの扉 八つの恐怖の物語』編著 株式会社闇 著者 澤村伊智、芦花公園、平山夢明、雨穴、五味弘文、瀬名秀明、田中俊行、梨
本屋に行って、たまたま目についたので買ったホラー短編集。執筆陣の中に好きな作家である雨穴さんがいたのだ。買わないわけにはいかない。
雨穴さんの『変な家』シリーズ、『変な絵』を読んだことがある。イラストや図面を交えたドキュメンタリー風の語り口調が好きで、本書ではどのような話が読めるのかとわくわくした。
本書は、人気作家陣による短編の後に、どのようなジャンルなのかという解説がそれぞれ記載されている。ホラー好きでもホラー初心者でも楽しめる作りになっているのだ。お目当ての雨穴さんの作品はサスペンスホラーだった。じわじわと迫ってくるような怖さだった。本書の表題から、中学生向けかと思っていたが、大人でも十分に楽しめた。
また、今まで読んだことがなかった作家なのだが、五味弘文さんの「とざし念仏」というシチュエーションホラー作品が面白かった。タイトルから、幽霊が出てくる話かと思ったがそうではなかった。とある学校の文化祭を舞台にした作品なのだが、転校生とクラスメイトから無視されている生徒に焦点を当てた話だった。
その村には昔、土葬文化が根付いていた、というエピソードから文化祭にどう繋がっていくのかが見どころの一つだ。
他にも、オカルトや怪談といったジャンルの話が楽しめる。この短編集をきっかけに知った作家もいるので、今後の書籍選びの参考にもなった。 『14歳の世渡り術』シリーズ、他にも面白そうなテーマの本が出ているので、また機会があったら読んでみたい。